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「旧国立駅舎と駅前広場」(その3)

2011.02.13.22:08

2.国立駅前広場の誕生

①展望台の案、植栽あり、高さ6尺(1.8メートル)
 当初の設計図です。
 駅前に立ったときに通りが見えないのがネックで、没になったのかもしれません。

IMG_0556.jpg

②緑地帯の案
 現在も緑地帯はあるが、これほどの厚みではなく、薄く縮小されて、実現されている。
 真ん中に噴水があります。

IMG_0557.jpg

③国立大学町
 国立大学町の分譲地図ですが、広場に「噴水」と書いてある。
 当時、これだけの広場を確保したところが、この大学町の見識。

IMG_0558.jpg

 写真2-1は、当時の空撮写真。四角と円からなるこの駅前広場のこの構造は、
 四角が領域で、円が構築物を表していて、崩してはいけないもの。
IMG_0559.jpg

 写真2-2は、兼松講堂の空撮写真。
 これだけの森があった。
 短期的な視点だけでなく、100年後を考える必要がある。
 三角屋根がないと、まちの基本構造、アイデンティティが失われると考えた方がよい。
 100年~200年先を考えて、歴史性を残すことが大切で、
 ヨーロッパではそういう考え方があるが、日本ではすぐに壊すことになるのが残念です。

IMG_0560.jpg

 写真2-3、開業当時の国立駅前広場
 当時の象徴的な写真。明らかに国立の市民のための広場。
 水禽舎があることも、それを売ら付けている。
 戦後、市民のものから、車に乗っ取られたが、原点は、ここにある。
 これをちゃんと記憶すべき。

IMG_0561.jpg

 写真2-4、水禽者の前にベンチがあるが、ベンチが水禽舎の方を向いている。
 当然、水禽舎を眺めることを想定してのもの。

IMG_0009_1.jpg

 写真2-6、現在の国立駅前広場。
 孤立する円形公園。通常は、入れない。
 ここで、円形公園に入ったことある人に挙手して頂いたが、
 半数までは行かなかったが、かなりの人が挙手した。
 ここは、ちょっと思い入れの深い、特別な人が集まっているのかもしれませんね。
 普通は、とても渡れません。(現状は、立ち入り禁止の札が立っている。)
 駅前広場が、完全に交通だけに使われてしまって、円形公園は、風景としてしか、
 機能していない。
 モータリゼーションによって、当時のイメージが一変されてしまった。
 旧駅舎が復原されなかったら、これが固定化されてしまう。
 それがいいことなのか?

IMG_0009_2.jpg

3.「夢のくにたち広場」アイデアコンテスト
昨年の11月27日に、駅周辺まちづくり市民会議パプリカの主催で、
このアイデアコンテストが開かれ、審査委員を務めました。
応募要項は、
「こんな広場だったら楽しい、こんな広場だったらうれしい、
あなたの夢やアイデアも、自由に描いてみませんか。」
というものでした。
応募された作品には、文章もあったが、やはりイメージが伝わり易いためか、
絵に描かれたものが選考されました。

IMG_0562.jpg

審査は、公民館で行なわれ、最終的に大学通りのテントの中で行なわれました。
これが審査風景です。

IMG_0563.jpg

「夢のくにたち広場」大賞の作品。作品15番です。
駅前広場の全体の雰囲気やイメージがよく描かれています。
JR他の交通、建物、池に、この真ん中のは怪獣でしょうか。
広場での思い思いの市民生活が描かれているのがよいと評価されました。
お茶や、紙芝居、歩いている恋人同士や、団欒する家族など。

IMG_0564.jpg

「未来の広場賞」:作品番号19番
全部を芝生にしてしまうという作品で、車はどうなるのか、通りも芝生です。
描いてありませんが、車は地下かもしれませんね。

IMG_0565.jpg

「ゆかいな広場賞」:作品番号4番
円形公園が舞台となって、薪能や、オペラ、吹奏楽をやるというものです。
交通規制をどうするのか、バス停はあるので、共存して行こうというものです。

IMG_0566.jpg

「にぎわい広場賞」:作品番号12番
小学校低学年かもしかしたら幼稚園の女の子でした。
絵の才能もありますね。

IMG_0567.jpg

「市民の選んだ広場賞」:作品番号4・15・17番
当日、まちを行く市民の方々に、投票して選んでもらったもので、
4番、15番は、「ゆかいな広場賞」「未来の広場賞」と重複していました。
17番は、「くにたちノスタルジー」で、カーニバルをやろうというもので、
メリーゴーランドになっています。

IMG_0390.jpg

これは、駅前広場を公園にして解放するもの、

IMG_0394.jpg

市場にするもの、

IMG_0395.jpg

この田んぼにするものは、ギャップがすごいおもしろいですね。

IMG_0414.jpg

南北を一体化するというのも、JRがこの辺りの機能を組み込んでいるのか聞いていませんが、
当然、一体的に考えるべきですね。

IMG_0010_2.jpg

翌日の11月28日(日)に開催された「国立駅周辺まちづくりシンポジウム」の会場
「国立市芸術小ホール」にて主な作品を展示した。

このパプリカのホームページにも一同に作品を掲示予定です。

<続く>
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「旧国立駅舎と駅前広場」(その2)

2011.02.13.17:02

1月30日の白井先生のご講演の内容を、レジュメに沿って再構成しました。
先日の内容に重複する部分もありますが、最初から記述します。

講演の目次です。

IMG_0004_1.jpg

1.広場について

IMG_0004_2.jpg

広場の定義としては、「都市の中の教会前広場や駅前広場などの物理的な空間」ということで、
これは、現状のインターネット上の仮想空間にも「広場」が形成されていますが、
そうではなくて、ここでは物理的な空間のことを指します。

ヨーロッパでは、古代ギリシアのアゴラのように、都市に配置された広場が、当初よりあったが、
日本はそれとは異なり、鎮守の杜のような形で、儀式的空間が神社に付随していた。
つまり、都市の中の空地としての広場に対して、日本の村の鎮守の杜が対応するかもしれないが、
これらは、随分と性格の異なったものだった。

古代ローマでは、都市全体が城壁で囲まれた城であって、あまり緑を植えずに、
その中に建物が密集しており、その代わりに街に広場が設けられ、
郊外には、広々とした緑のあるヴィラがあった。

ヨーロッパでは、都市住居が密集化しており、教会や宮殿、市場などの前に、一定の空地を確保し、
政治的に重要な儀式を行なったり、コミュニティの中心的機能を持たせた事例が見られ、
現在でも祭事のほか、民間の各種イベントにも使われていることが多い。

IMG_0005_1.jpg

日本における広場の定義を国交省の定義などを参考に考える。
国交省なので非常に堅い定義です。
配置について①~④があるが、国立については、④に当てはまり、
「都市の象徴または記念の目的に供する場所あるいは都市景観の向上に著しい効果が認められる場所」
と言える。

IMG_0005_2.jpg

機能としては、ヨーロッパでは市民集会、政治儀式の場として、使われてきた。
もう一つ、交通広場という機能があり、交通の結節点として、JR、バス、幹線街路などの、
異種交通間の連絡機能があります。
現状の国立駅前広場もこれですが、これでだけいいのか?

IMG_0006_1.jpg

駅前広場は、道路に付随する交通広場という位置づけの都市施設。
日本の駅前広場は、これに余りにも限定されている。
都市の顔としてのシンボル性、オープンスペースとしての役割が、もっと必要と思われる。

次に、広場の歴史的な類型です。

IMG_0006_2.jpg

IMG_0541.jpg

まず、古典的広場です。
これはギリシアのケラメイコスのアゴラ。
この図のように、左の丘にヘファイトスの丘があって、二方をストアに囲まれている。
広場には列柱が残されています。

IMG_0542.jpg

次は、古代ローマのトラヤヌス帝のフォルムです。
ローマは、紀元前に100万人の人口を数えまた大都市でした。
このフォルムの北側にはバシリカがあり、アウグスティヌスのフォルム、
カエサルのフォルムがこの様に複合しています。
この写真の奥の円形は、有名なコロセウムです。
広場自体が石でできていて、宮殿などと複合していたため、
ローマ人たちは、郊外の緑のあるヴィラ(別荘)を作っていました。

IMG_0543.jpg

第二に政治的広場。
中国の天安門広場です。これは、行った中でも一番広い広場で、
軍事パレードなどが行なわれ、天安門事件の舞台ともなった政治広場です。
毛沢東紀念堂などがあり、普段は、観光広場となっています。

IMG_0544.jpg
次は、フランスはパリのコンコルド広場です。
高いオリベスクが立っています。ナポレオンがエジプトから持ち帰ったものです。
オリベスクは、イギリスもアメリカもエジプトから略奪して行きました。
噴水があって西欧の典型的な広場の作りです。
ルイ16世がフンランス革命のときにここで処刑されました。

IMG_0545.jpg

教会前広場です。
イタリア・ローマ(バチカン)のサンピエトロ広場です。
バロックの広場で楕円形になっています。
遠近法を利用した作りで、広場に続く街路が奥に行くほど斜めに狭くなっていて、
錯視の効果で、奥行きが深く見えるように作られています。

IMG_0546.jpg

これもローマのスペイン広場です。
映画「ローマの休日」でオードリーヘップバーンが、ここでジェラートを食べたことで有名です。
階段がイベントで使われることが多いですが、
ヨーロッパではどこへ行っても、こういう広場でイベントがしょっちゅう行なわれています。

IMG_0547.jpg

次は、市庁舎前広場です。
これは、ウィーン市庁舎前の広場です。
ヨーロッパではどこにでも、この市庁舎前広場があります。
日本にはほとんどありません。都庁には、公園がありますが、
建物とこのような一体感がありません。
他の都道府県庁にもありませんね。

IMG_0548.jpg

ソウル市庁舎前広場です。
ワールドカップのときにここに大スクリーンが設置されて、熱狂的な応援が繰り広げられました。
赤いユニホームで染まりました。
イベントもよく行なわれており、デモも多く、多機能です。
凄くオープンな広場でよく行きます。

IMG_0549.jpg
IMG_0550.jpg

複合施設前広場です。
これは、ヴェネチアのサンマルコ広場で、1730年の絵画です。
ドゥカーレ宮殿(総督府、ゴシック様式)、サンマルコ寺院(ビザンチン様式)、
など歴史的な建築に囲まれています。
イベントではカーニバルが有名で、仮面で扮装してとても賑やかになります。
私の、最も好きな広場です。
空間の大きさ、建物のよさ、そして海に開かれているところがよいです。

IMG_0551.jpg

イギリス、ロンドンのトラファルガー広場です。
1805年のトラファルガーの海戦を記念して作られたもので、
ネルソン記念柱と噴水があり、交通広場にもなっていますが、
広場の内奥には車は入らないようになっています。

IMG_0552.jpg

商業施設前広場です。
これは、ロンドンのピカデリーサーカスで、
コベントリー・ストリートとリージェント・ストリートなどの通りが交差していて、
混雑する交通広場であり、周囲には商業施設が立ち並んでいます。

IMG_0553.jpg

米・ニューヨークのタイムズ・スクエアです。
巨大な広告塔、ネオンサインで有名ですね。
ブロードウェイの中心にあり、商業の中心地でもあります。

IMG_0554.jpg

最後に、日本の駅前広場です。
東京駅です。創建当時は、3階建てでしたが、戦災で焼けて、現在は二階建てになっています。
今、修復中で、当初のドームを復原して三階建てになります。
交通広場で、復原に合わせて、今後どうするのか注目しています。

新宿駅西口広場です。(ここには、スライドなし)
典型的な交通広場で、地下にちょっと申し訳程度の自由な空間があります。
かつては、コンサート等できたのですが、規制でできなくなりました。
行政が規制するとああなるという典型ですね。

IMG_0555.jpg

最後に、立川駅。
二階に人、一階が車で、中心は交通です。
最近はこういう立体で分けるのが非常に多いのですが、小さいですね。
多少のイベントが申し訳程度にできる空間があり、実際にイベントはやられています。

<続く>
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